本編テキスト集(16-20)
ここは本編イベントのテキストをまとめておく場です。
CP獲得やリアクション部分は割愛、ネタバレは自己責任。
•[16]カエダの純愛物語 5ページ
戦闘前
とある城下町にある民家。
せっせと家事をする少女がひとり。
カエダ
水色の瞳に白い長髪の女性。
白いドレスを着ている。
カエダ「えっと、次は井戸から水を・・・・・」
「何をもたもたしてるのッ!!」
ズデラおばさん
短い茶髪に茶色の瞳。茶色の大きな眼鏡。
青色のエプロンを身につけている。
カエダ「あっ・・・・・ズデラおばさん・・・・・」
ズデラおばさん「もう日が昇ってるにも関わらず、まだ掃除も終わってないの!?まったく、使えない子ね・・・・・しかも・・・・・」
窓枠を指でつぅーっとなぞると、少しの埃が手についた。
ズデラおばさん「・・・これで掃除したつもりなのかしら?」
カエダ「・・・・・」
戦闘後
カエダ「ふぅ、お掃除完了っ!今日も1日頑張りましょう。」
赤く染まった雑巾を絞り、街へと出掛ける。
•[16]カエダの純愛物語 10ページ
戦闘前
とある城下町。
人だかりができている。
カエダ
水色の瞳に白い長髪の女性。
白いドレスを着ている。
王子
きらびやかな王子。
王子「この金の靴の持ち主を探している!本当の持ち主ならばピタリと一致するはずだッ!!」
王子様が美しい金の靴を掲げ、持ち主を探している。
カエダ「はい。その美しい靴は間違いなく私のものです。だってそんなに美しいんですもの。」
王子「おお、ならばこの靴を履いてみてはくれないか。」
カエダ「履くまでもないわ。それは私のものよ。」
王子「いや、だから履いてみてはくれないか・・・・・」
近衛兵「・・・王子の言うことを聞けぃ小娘ェッ!!」
カエダ「やだ、耳が不自由なのかしら・・・・・美しい靴なのだから、私のものになるべきと言ってるの。」
近衛兵「そ、・・・そんな理屈が通るかァァッ!!!」
カエダ「・・・・・」
戦闘後
カエダ「やだわねぇ・・・・・王子様ってもっと寛容で素敵な方だと思ってましたのに。」
奪った金の靴を履く。
カエダ「・・・ほぉらぴったり。やっぱり私の金の靴じゃない。」
少し歩くとすぐに脱げる。
カエダ「・・・・・とんだ不良品ねぇ。美術品的な価値しか無さそうね。」
金の靴を脱いでエコバッグに入れる。
カエダ「高値で買い取ってもらいましょう。」
意気揚々と質屋へ向かう。
•[16]カエダの純愛物語 15ページ
戦闘前
とある島。
ふたりと三匹。
カエダ
水色の瞳に白い長髪の女性。
白いドレスを着ている。
ピーチ
ブサイクな男。
犬
ブサイクな獣。
猿
ブサイクな獣。
雉
ブサイクな獣。
カエダ「やだ、獣と不細工が何の用?」
ピーチ「いや・・・私は鬼を退治しにここに来ただけだ。」
カエダ「鬼、ですって・・・?この島には鬼なんていませんわ。鬼どころか、住んでいるのは私だけで・・・」
戸惑うカエダ。
雉「ピーチの旦那ァ・・・・・あの女の後ろを・・・・・」
カエダの後ろにはこの島では手に入りそうにもない金銀財宝が山ほどある。
猿「鬼の別の名は、白い髪の悪魔。・・・・・間違いねぇでやんす。」
犬「・・・ワンッ!!」
ピーチ「・・・・・貴様を倒し、奪われた金品を取り戻すッ!!」
カエダ「じゃあ私が勝ったら貴方を一生下僕として使ってあげる。」
戦闘後
カエダ「はい、下僕決定。」
ふたりと三匹は、島で幸せな日々を過ごしました。
•[16]カエダの純愛物語 20ページ
戦闘前
とある島。
カエダ
水色の瞳に白い長髪の女性。
白いドレスを着ている。
カエダ「あーあ、下僕にも飽きたし・・・イケメンでも降ってこないかしら・・・・・」
そんなカエダのもとに、空から何かが降ってきた。
イケメン
くどいくらいのイケメン。
カエダ「やだ・・・・・イケメン・・・ッ」
イケメン「おや、これは美しいお嬢様。よろしければ私とランデブーしませんか?」
カエダ「はい。」
即答するカエダ。
ピーチ
ブサイクな男。
犬
ブサイクな獣。
猿
ブサイクな獣。
雉
ブサイクな獣。
ピーチ「そんなッ!!私達を置いて行く気ですかッ!!?」
犬「・・・ワォォンッ!!?」
猿「酷いでやんすぅ!!」
雉「てめぇ・・・・・本気か・・・?」
反対するひとりと三匹。
カエダ「やだ・・・こわい・・・・・」
イケメン「私に任せて。・・・君は、私が守ってみせるッ!!」
戦闘後
小汚いひとりと三匹を蹴散らし、島を出るカエダ。
イケメンは、とある国の石油王なのでした。
カエダはイケメンと幸せになりましたとさ。
めでたしめでたし。
犬「・・・・・酷い話ですねぇ。」
カエダ「批判はしたけれど、自分にできるだろうか。みつを。」
犬「いや・・・・・私にでももう少し良い話作りはできそうですが・・・・・」
カエダ「・・・・・」
無言で榊を殴りつけるカエダ。
犬「痛い!痛いですよカエダさん!!気軽にマナを乗せて殴らないでくださいッ!!」
犬「・・・さてさて。結局カエダさんに文才は無かったということで、特に物語もなく、ただの寄り道になってしまいましたね。申し訳ありません。しかしこれもまた何かのきっかけのひとつかもしれません・・・・・こんな複雑な世界ですから、どこかでまた繋がるかもしれませんしね。・・・ヒヒッ!!」
犬「また逢える日を楽しみにしていますワン・・・・・」
大樹から漏れる光が次第に強くなり、視界が光で埋め尽くされる・・・・・
•[17]とある勇者の旅3 5ページ
戦闘前
活気あふれる街を歩く勇者様御一行。
カルロス
茶色の短髪に群青の瞳の青年。
貴族風の格好で、きらびやかなマントを身につけている。
ベルナ
桃色の長髪に紫色の瞳、白い薄布を纏った女性。
全身から淡い淡い光を発している。
ヤンキー
ヤン・キー。
ベルナ「・・・という訳でして、世間的にはまだ存在すら認識されていない魔王を、認識と同時に撃破するためにこの旅はあるのです。」
ベルナがフランクフルトを食べながら、魔王とこの旅の意味について説明している。
カルロス「なるほど。ちなみに、魔王は必ず現れるのか?」
ベルナ「いえ、予兆でしかありません。しかしながら現れてから勇者がどうこうでは被害に間に合いませんので。」
カルロス「私が剣を求めたタイミングが良かったのか?」
ベルナ「いえ、それもまた必然。てっとり早く理解される言葉としては、『運命』といったところでしょう。」
カルロス「・・・なんというか、人智を超えた世界だ。」
食べ終わり、口に付いたケチャップを拭く。
ベルナ「女神ですから。」
ヤンキー「・・・・・・・・」
何だか落ち着かない様子のヤン。
カルロス「ヤンさん、さっきから周りをきょろきょろと・・・・・どうした・・・んですか?」
カルロスに近づき、ぼそぼそっと話しかけるヤン。
ヤンキー「・・・やべぇんすよ、この街は・・・・・俺らんボスの気に入りの土地でして・・・・・見つかると何を言われっか・・・・・・・・」
「だぁれがぁ・・・・・何を言うってぇ~?」
ボスヤンキー
この辺のボス。
メガヤンキー
目がマジヤンキー。
ヤンキー「ボ・・・ボボッ・・・ボボボボボスッ!!!?」
メガヤンキー「てめぇ・・・誰とつるんでやがる・・・・・」
ヤンキー「こ、これはだなぁ・・・これは・・・・・」
ボスヤンキー「まぁよせ。なぁに、俺らより愉しい連中ってことだろ。」
ボスヤンキー「・・・・・なぁぁ??」
睨みつけるボス。
カルロス「ヤ、ヤンさん・・・?こちらの、御方は・・・??」
ヤンキー「あの・・・そのォ・・・・・ですねぇ・・・・・」
ベルナ「街程度を征服して粋がってるヤンキーの王、ヤンキングッ!!」
ヤンキー「ぬぬぬぇえええさぁぁあぁんッ!!!?」
ボスヤンキー「・・・・・どうやらてめぇのようだな、俺のを奪った奴ァ・・・」
ヤンキー「ぼぼぼぼすぇぇああぁぁあねえぇぇさぁぁぁん・・・!!!?」
ベルナ「何を狼狽えているのです?彼は街を征服、勇者は世界征服です。圧勝ではありませんか。」
カルロス「世界・・・・・征服・・・・・?」
カルロスを睨めつけるボス。
ボスヤンキー「こいつが、世界をねぇ・・・??」
カルロス「は・・・はは・・・・・」
メガヤンキー「ボス・・・こいつ、笑ってるでよ・・・・・この状況で・・・・・」
ボスヤンキー「面白い・・・・・ちょっと相手してもらおうかねぇ。」
ボスが肩を鳴らし、ヤンを見る。
ボスヤンキー「てめぇもだよ。てめぇの場所はてめぇで守るんだなァ・・・・・」
ヤンキー「・・・・・・・・」
ヤンキー「やって・・・・・やるああぁぁぁああああああッ!!!!!」
戦闘後
ボスヤンキー「強ぇなぁおい・・・・・」
倒れたまま空を見つめるボス。
ボスヤンキー「ヤンよぉ・・・・・いい場所見つけたようだなァ・・・・・」
ヤンキー「ボス・・・・・俺・・・・・ッ!!」
ボスヤンキー「・・・分かってらぁ。」
ボスヤンキー「・・・・・行きな。やりてぇことが見つかったんだろォ・・・?」
ヤンキー「俺・・・俺ァ・・・・・こいつらと世界目指しますァッ!!」
ボスに向かって叫ぶ。
ボスヤンキー「・・・でっかくなったなぁ、ヤンよぉ。」
ヤンキー「・・・・・」
ヤンキー「あざあぁぁッしたあぁぁァァッ!!!!」
深く礼をするヤン。
ベルナ「・・・・・いい話ですねぇ。」
カルロス「はは・・・・・」
•[17]とある勇者の旅3 10ページ
戦闘前
腐臭の漂う森。
木々も殆どが枯れ腐っている。
カルロス
茶色の短髪に群青の瞳の青年。
貴族風の格好で、きらびやかなマントを身につけている。
ベルナ
桃色の長髪に紫色の瞳、白い薄布を纏った女性。
全身から淡い淡い光を発している。
ヤンキー
ヤン・キー。
ヤンキー「なんすかここ・・・・・くせぇーっすねぇ・・・・・」
カルロス「ひどい土地だな。こんなところにあるのか?」
ベルナ「えぇ。聖剣の力を開放する最後の要素が、この先にあります。」
ヤンキー「もう最後なんすか、結構ちょろいっすね。」
ベルナ「カルロスのですから。」
カルロス「どういう意味だ・・・・・」
歩きにくい泥濘んだ道を進む。
しばらく進むと、目の前に人影が現れる。
ハルス
黒い短髪に赤い瞳の青年。
漆黒の大剣を持ち、漆黒の鎧、漆黒のマントを身につけている。
ベルナ「・・・・・」
カルロス「・・・・・」
ヤンキー「・・・・・」
ハルス「何だよッ!何か言えよッ!!」
カルロス「・・・いい天気だな?」
ベルナ「さぁ、先に進みましょうカルロス。楽しい旅が待っていますよ。」
ハルス「・・・・・・・・・」
ハルス「相手をしてくれえぇぇええッ!!!!」
ハルスが襲いかかってきた!
戦闘後
ハルス「くそおぉぉッ!!」
激しくぶっ倒れるハルス。
ベルナ「ところで塩さん。どうして執拗にカルロスを?」
カルロス「そういえば・・・」
ハルス「・・・・・」
ハルス「・・・黒魔術協会に命じられたからだ。」
ベルナ「は・・・?黒魔術協会が何故勇者を?あそこは胡散臭い団体ではありますが以前の魔王討伐の際には協力もしていたくらいですし・・・・・」
ハルス「そんなこと、知るか。」
ベルナ「・・・・・」
訝しげな顔をするベルナ。
ヤンキー「こんなの相手してねぇで先進みましょうぜ姐さん!」
ベルナ「・・・・・。・・・そうですね。」
先へと歩みを進める。
•[17]とある勇者の旅3 15ページ
戦闘前
腐臭のする沼沢地帯を抜けると、大きな城が見えてきた。
城はとても古く、あちこちが壊れている。
カルロス
茶色の短髪に群青の瞳の青年。
貴族風の格好で、きらびやかなマントを身につけている。
ベルナ
桃色の長髪に紫色の瞳、白い薄布を纏った女性。
全身から淡い淡い光を発している。
ヤンキー
ヤン・キー。
ヤンキー「兄さん・・・・・何か出そうっすねここ・・・・・」
カルロス「ん?こういうところは苦手なの?ヤンさん。」
ヤンキー「そ、そんなことああああるわけねぇじゃねーっすかぁッ!!」
ベルナ「あら?ヤンさんの後ろに白い影が・・・・・」
ヤンキー「へヴァアァぁああッ!!?」
気絶するヤンさん。
ベルナ「・・・・・あら。」
エルガ
赤い髪に金色の瞳。雑に結ばれた短いツインテール。
白のワンピースを身につけている。
全体的に透けている。
アドレット
長い金髪に金色の瞳。
白のワンピースを身につけている。
全体的に透けている。
ルーエ
青のボブヘアーに金色の瞳。
白のワンピースを身につけている。
全体的に透けている。
エルガ「人のことを見て気絶するなんて、失礼ね・・・」
アドレット「ほんと、嫌ですわ・・・・・」
ルーエ「別に、あんなのに好かれたくない。」
ベルナ「またお邪魔しますよ、エルガさん、アドレットさん、ルーエさん。」
名前を呼ばれた瞬間に、キッとキツイ目線。
エルガ「アンタまた魔王様の邪魔をしようっていうのッ!!?」
アドレット「何の恨みがあってそんなことを・・・・・魔王様はただこの世界を頂きたいだけですのに。」
ルーエ「この世界は誰のものでもないって、偉い人が言ってた。まだフリーのはず。」
3人が戦闘態勢に入る。
ベルナ「・・・・・来ますよ。気をつけて。」
戦闘後
エルガ「死竜様・・・・・気をつけて・・・・・・・・」
3人の気配が消える。
カルロス「・・・・・死竜?」
ベルナ「聖剣の力の開放に必要な条件は『真竜の血』『龍人の血』『死竜の血』ですから。ここで最後の条件が揃うわけです。」
カルロス「・・・え?真竜はともかく、龍人って・・・?」
ベルナ「はい、シーフルさんです。龍の特徴部分は恥ずかしいから隠しているのだとか・・・」
カルロス「全然そんな感じしなかったぞ・・・・・しかし、聖剣にしては物騒な開放条件だな。」
ベルナ「力とは物騒なもの。綺麗なものだけでつくられるほうが気持ち悪いですよ。」
ベルナが気絶したヤンキーを蹴り起こし、先へと進む。
•[17]とある勇者の旅3 20ページ
戦闘前
古びた城内。その地下。
カルロス
茶色の短髪に群青の瞳の青年。
貴族風の格好で、きらびやかなマントを身につけている。
ベルナ
桃色の長髪に紫色の瞳、白い薄布を纏った女性。
全身から淡い淡い光を発している。
ヤンキー
ヤン・キー。
ベルナ「気を引き締めてください・・・・・ここは危険ですよ。」
ヤンキー「はい姐・・・さん・・・・・もう気絶なんて・・・・・しねぇっす・・・!!」
腹部を抑えながら声を出すヤンキー。
カルロス「・・・・・あいつかッ」
死竜ザラーム
非常に巨大な黒竜。
ベルナ「・・・死竜ザラーム。」
死竜ザラーム「ほう。また来たのか、眠りの―――」
ベルナ「カルロス、ヤンさん。・・・強敵です。気をつけてください。」
ヤンキー「おぅっす!!」
カルロス「気を引き締めていくぞッ!!」
言いかけた言葉をそのままに、ザラームが動き出す・・・・・
死竜ザラーム「いいだろう。再び魔王を撃退しようというのなら、私はそれを阻止するまで。」
死竜ザラーム「・・・・・12年前と一緒と思うなよ?お姫様よ。」
戦闘後
死竜が倒れると同時に、カルロスの持つ聖剣が黒色の光を放った!!
光が収束し、黒色の刃を形成する・・・・・
カルロス「黒色・・・・・聖剣・・・なのか?これは・・・・・」
ベルナ「えぇ。これで聖剣の力は開放されました。全ての属性色を備えた聖剣は黒色に染まります。」
ヤンキー「禍々しいっすね・・・・・」
ベルナ「様々な色彩を混ぜると最終的に辿り着くのは黒です。白が虚無なら、黒は万象なのです。」
聖剣からは黒色のオーラが漂っている。
ベルナ「さぁカルロス。これで魔王を迎える準備はできました。あとは魔王が来るまで・・・」
カルロス「あぁ、自分自身を鍛え―――」
ベルナ「―――るのも大事ですが、もう少し先に有名な温泉街があるそうです。」
ヤンキー「温泉っすか!!!」
ベルナ「温泉饅頭・・・・・まだ味わったことがないのです。」
カルロス「・・・私は鍛えるぞ。鍛えるからな。」
温泉地へと向かう勇者様御一行。
•[18]温泉街の悪夢 5ページ
戦闘前
大きな岩山を中心として栄えている大きな街。
カルロス
茶色の短髪に群青の瞳の青年。
貴族風の格好で、きらびやかなマントを身につけている。
ベルナ
桃色の長髪に紫色の瞳、白い薄布を纏った女性。
全身から淡い淡い光を発している。
ヤンキー
ヤン・キー。
ヤンキー「ここが温泉街っすかぁーッ!!」
カルロス「岩を削って住居にしているのか。面白い街だな。」
岩山の上のほうに進むにつれ、温泉地らしいお店が並び始める。
ベルナ「湯脈がとても近い土地で、場所によっては温泉が湧いて温泉付きの物件になったりもするとか。羨ましいですねぇ・・・」
カルロス「温泉なら私の屋敷にもあるぞ。」
ベルナ「・・・・・」
ヤンキー「・・・少し、空気読んで欲しいっすね。」
名物の温泉饅頭を食べながら宿を探す三人。
カルロス「この辺りのはずだが・・・・・」
ベルナ「温泉街と言えば、やはりまずはこれですねぇ。このふっくらした皮にしっとりとした・・・」
ヤンキー「姐さん、なんか騒がしいっすよ!!?」
温泉宿らしいところの前に、衛兵が集まっている。
衛兵
街の衛兵。
テルメ
茶色の短髪に青い瞳、狸耳の女性。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
温泉宿の女将さん。
衛兵「星持ちテルメ、黙って従えッ!!宿の女将は代わりを立てろ!!」
テルメ「嫌です!!牢に閉じ込められると聞きましたッ!私は悪いことは何もしてませんっ!!」
衛兵「くそッ・・・どこからそんな噂が・・・・・」
宿の女将さんが衛兵に囲まれている。
カルロス「何かあったのか・・・?」
ベルナ「チャンスですカルロスッ!!これを救えばオマケしてもらえるかもしれませんっ!!」
ヤンキー「か弱い女相手に・・・・・許せねぇっす!!!」
衛兵に殴りこむヤン。
カルロス「お、おい・・・ッ!!」
戦闘後
衛兵「く、くそ・・・仲間か・・・!!?」
撤退する衛兵たち。
テルメ「皆様、ありがとうございます・・・助かりました・・・・・」
ビクビクと震えながら、礼をするテルメ。
ヤンキー「何なんすか、あいつら。」
テルメ「この街の・・・衛兵さんです・・・・・」
テルメ「最近、星狩りというものが施行されていて・・・・・私はこの宿でお客様にゆっくりしてもらいたいだけなのに・・・っ!!」
カルロス「・・・星、星持ちか。聞いたことがある。貴方のような・・・目の下に星のアザのある者たち。」
ベルナ「流星の魔女エルキスによる術の残滓ですね。でもそれをなぜ狩る必要があるのでしょう。」
テルメ「その魔女が復活したとかで・・・また私達が人を襲うと思っている・・・みたいです・・・・・」
ベルナ「おや、また世に放たれたのですか。安心してください、その残滓は何も悪さなどしませんから。」
テルメ「そ、そうですよね!!そうですよねっ!!私なにも分からなくて・・・・・不安で・・・・・」
安堵からか、涙がこぼれる。
ヤンキー「・・・と、とりあえず温泉でも入って気分転換が一番ッスよ!!」
テルメ「あ、はいっ!!ぜひゆっくりしていってください!もちろんお代は結構ですのでっ!!」
ベルナ「・・・・・・これで宿代分を豪遊できますね。」
小さくガッツポーズをするベルナ。
•[18]温泉街の悪夢 10ページ
戦闘前
温泉宿の男湯、女湯。
カルロス
茶色の短髪に群青の瞳の青年。
ひのき風呂が好き。
ベルナ
桃色の長髪に紫色の瞳の女性。
露天風呂が好き。
ヤンキー
ヤン・キー。
サウナが好き。
カルロス「ふぅ・・・良いものだな・・・・・外の温泉も。」
ヤンキー「綺麗な夜空っすねぇ!たまんねぇっす・・・・・」
夜空はいつもより増してたくさんの星が輝いている。
ベルナ「綺麗なほうき星が流れていますね。」
仕切り越しに話しかけてくる。
カルロス「あ、あぁ・・・綺麗だな・・・・・」
ヤンキー「俺、願い事するっす!!」
ベルナ「・・・あのほうき星に、それは意味がありませんよ。」
カルロス「・・・?・・・あぁ、たくさん流れてるしな。」
ベルナ「・・・・・」
ベルナ「話がしにくいので、今そちらに行きますね。」
カルロス「・・・なッ!?」
ヤンキー「姐さんんん!!?」
カルロス「ちょっ・・・待て!!待てッ!!」
カルロス「・・・・・のぼせたぞ。」
ベルナ「あら、あのあとずっと待っていたのですか?・・・本当に私が男湯に行くと思ったのですねぇ、お馬鹿ルロス。」
ヤンキー「姐さん酷いッス・・・・・」
ベルナ「そんなことよりタッキューをしましょう。私vs全員で構いませんよ。さぁ。」
ヤンキー「・・・え!?」
カルロス「突然なんなんだ!?」
ベルナ「いきますよ、本気を出してください。私の球はエレファントも倒せます。」
戦闘後
ベルナ「なかなかやりますねぇ、楽しめましたよ。」
満足気な表情のベルナ。
カルロス「・・・それは、良かった・・・・・死ぬかと思った・・・・・」
ヤンキー「血ぃ、洗い流してくるっす・・・・・」
•[18]温泉街の悪夢 15ページ
戦闘前
温泉宿の大宴会場。
宿泊客みんなで晩御飯。
カルロス
茶色の短髪に群青の瞳の青年。
貴族風の格好で、きらびやかなマントを身につけている。
ベルナ
桃色の長髪に紫色の瞳、白い薄布を纏った女性。
全身から淡い淡い光を発している。
ヤンキー
ヤン・キー。
ヤンキー「何だかんだ、いいっすねぇ温泉!飯食ったらまた入るっすよ!!」
カルロス「確かに良い湯だった。ここの湯は何だか独特な・・・・・」
「ふふふ、気づいたかあぁぁッ!!」
ハルス
黒い短髪に赤い瞳の青年。
漆黒の大剣を持ち、漆黒の鎧、漆黒のマントを身につけている。
ハルス「ここの湯は海に近いッ!海水に含まれる塩が効いているんだッ!!塩分が皮膚に付き汗の蒸発を防ぐから保温効果が高く湯冷めしないのが特徴だッ!!!」
塩だ。
ハルス「ってぇぇあぁぁ!!?ななな何で貴様らがここに居るぅぅ!!!?」
カルロス「や、やぁ・・・・・君こそ、どうしてこんなところに。」
ハルス「そ、それは・・・ひ、秘密だ・・・!!!」
チラッチラッとどこかを見ている。
テルメ
茶色の短髪に青い瞳、狸耳の女性。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
温泉宿の女将さん。
視線の先には配膳をするテルメさん。
ベルナ「あらあら・・・・・塩さんにもそんな面があるのですねぇ。塩拉麺。」
ハルス「うううるさあぁぁいい!!勝負だああぁぁッ!!!」
「なんだなんだぁ?決闘かぁ!?」
「おっいいねぇ!舞台上がって盛り上げてくれやぁ!!」
「負けた方が勝った方の言うこと何でも聞くとかどうだぁ!?」
ベルナ「・・・・・それ採用。」
カルロス「・・・は!?」
ベルナ「ではカルロスvsベルナハルスヤンキーチームでいきましょう!!私達が勝てばカルロスに何でも言うことを聞いてもらいます!!」
わあぁぁぁぁ!!!っと盛り上がる宴会場。
テルメ「まぁ、楽しそう♪」
ハルス「お、おい!!勝手に決め・・・」
ヤンキー「いいっすねぇ姐さん・・・・・実はカルロスの兄さんとは、もう一度闘ってみたかったんすよ・・・・・」
動揺していたカルロスだが、何か考えるような顔をして、その後、動揺が消える。
カルロス「・・・よし、受けて立とう!!」
ベルナ「おや・・・」
ヤンキー「いいっすねぇ兄さん・・・・・」
ヤンキー「手加減は無しでいきましょうやあぁぁッ!!!!」
戦闘後
ヤンキー「さすが、兄さんッス・・・・・」
ハルス「くそ・・・・・くそぉぉ・・・・・・」
ベルナ「さぁカルロス、誰に何を命じるのです?何でもと言いましたので別に私と混浴とかでも構いませんよ?」
カルロス「あぁ、それじゃ・・・・・」
ハルスのほうを向くカルロス。
カルロス「ハルス。しばらくの間、テルメさんを守ってあげてくれないか?」
ハルス「・・・は!?」
ベルナ「・・・・・あぁ、なるほど。」
カルロス「うん。今日は私達でどうにかできたが、また来たらどうする・・・と思っていたんだ。・・・ダメか?」
ハルス「い、いや・・・俺は確かに強いがががててテルメさんががぉおれでで、いいいのか・・・・・」
テルメ「ハルスさんが守ってくれるのでしたら、嬉しいです!ハルスさんがお強いのは知っていますし、とても心強いですよ。」
テルメ「あ・・・でもハルスさんにもご都合が・・・・・」
ハルス「なななないですッ!!守ってみしぇますッ!!!」
ベルナ「あらまぁ。」
「いいぞぉぉあんちゃぁぁん!!!」
「守ってやれ守ってやれーッ!!」
「ヒューヒューッ!!」
カルロス「・・・・・良かった。」
大盛り上がりのまま、宴の夜は更けていく・・・・・
•[18]温泉街の悪夢 20ページ
戦闘前
大宴会を終え、その翌朝。
カルロス
茶色の短髪に群青の瞳の青年。
貴族風の格好で、きらびやかなマントを身につけている。
ヤンキー
ヤン・キー。
大鼾をかいて爆睡しているヤンさん。
ベルナがいない。
カルロス「・・・?こんな朝早くに、どこ行ったんだ・・・?」
ふと窓から海を眺めると、浜辺を歩くベルナの姿。
カルロス「・・・・・。・・・朝の散歩も悪くないか。」
着替えて浜辺へと向かう。
カルロス「ベルナ、おはよう!」
ベルナ
桃色の長髪に紫色の瞳、白い薄布を纏った女性。
全身から淡い淡い光を発している。
ベルナ「・・・あら、お早うございます。カルロス。」
カルロス「こんな朝早くから散歩なんて、珍しいな。」
ベルナ「良い景色でしたので、つい。」
カルロス「・・・・・」
ベルナ「・・・もうすぐですね。近いうちに、魔王が現れます。」
カルロス「あぁ、そうだな・・・・・」
カルロス「・・・・・」
ベルナ「安心してくださいカルロス、貴方は立派に成長しましたよ。」
ベルナ「出会った頃・・・あのときは、手加減をしていた私にすら苦戦していたのです。」
ベルナ「・・・戦ってみますか?あの頃の、私と。・・・もはや何人いても敵いませんよ。」
光を纏った右手を左から右に移動させると、そこにベルナの分身が何人も現れる。
カルロス「これは・・・・・」
ベルナ「ただの幻・・・・・あの時の、私です。」
戦闘後
消えてゆくベルナの分身。
ベルナ「自信を持ってください、カルロス。貴方はいま、魔王と戦える力を持っています。」
そう言って立ち去るベルナ。
カルロス「・・・・・。・・・・・あぁ。」
ひとり海を眺める。
カルロス「・・・父の役目は、私が果たす。」
朝日が昇る。
宿へと戻るカルロス。
カルロス「・・・ん?これは・・・・・?」
帰り道、珍しい漂流物を見つける。
カルロス「ずいぶん立派な剣だな・・・・・」
カルロス「このまま錆びてしまうのはかわいそうだ。私と一緒に来るか・・・?」
剣を拾い、宿に戻る。
•[19]闇は闇を隠し 5ページ
戦闘前
暗い暗い洞窟の中。
小さな水晶球を前に、ひとりの男。
闇司祭ヴォーバル
藍色の乱れた髪に、赤色の瞳。血色が悪い。
黒ずくめのローブに金の装飾を多く身につけている。
闇司祭ヴォーバル「通信手段のみ確保したものの、テネブ様からの定時連絡は無し・・・ですか・・・」
闇司祭ヴォーバル「これは、ますます・・・・・」
顎に手をやり、何かを考えている。
「いったああぁぁぁッ!!!」
闇司祭ヴォーバル「・・・ん、・・・・・聞き覚えがありますねぇ。」
ルーナ
亜麻色の髪に朱色の瞳の少女。
剣を持ち、冒険者風の出で立ちをしている。
ニックス
青の短髪に群青色の瞳の男。
巨大な斧を持っている。
シエロ
銀色の長髪に紫の瞳の青年。
黒い翼の生えた杖を持ち、神官風の出で立ちをしている。
ルーナ「この戦姫ルーナを、忘れてもらっちゃあ・・・ぁあいけねぇなあぁぁ!!」
ニックス「いけねえぇぇぇなあぁぁぁ!!」
シエロ「・・・え、なに。何に感化されたの・・・?」
ヴォーバルの前に立ちはばかる3人。
闇司祭ヴォーバル「騒がしい・・・・・相手にする暇も理由も無いのですがねぇ。」
ルーナ「そっちには理由は無くてもこっちには理由があるッ!!」
闇司祭ヴォーバル「ほぅ、それは興味深い。一体どんな理由なのですかねぇ?」
ルーナ「・・・・・」
ニックス「・・・・・」
シエロ「・・・・・」
突然黙りこむ。
闇司祭ヴォーバル「・・・戦姫に留まらずお仲間までも、不自然なまでの沈黙。ふふ・・・導きとやらも相当強くなっているご様子で。」
ルーナ「戦姫ルーナ、・・・参るッ!!!」
闇司祭ヴォーバル「全く、・・・面倒なものです。」
戦闘後
ルーナ「お、覚えてろ・・・ッ!!!」
捨て台詞を吐いて、立ち去る一行。
闇司祭ヴォーバル「戦法から捨てセリフまで一緒・・・・・導きの力とは粗雑なものですねぇ。」
ため息をつく。
闇司祭ヴォーバル「・・・ん。」
水晶球に近づくヴォーバル。
闇司祭ヴォーバル「・・・はい、聞こえております。テネブ様。」
水晶球に向かって話しかける。
闇司祭ヴォーバル「・・・・・戦姫については、より過激な行動へと。先程も奇襲を受けております。」
闇司祭ヴォーバル「・・・了解いたしました。では変わらず、防衛に徹します。しかしながら、テネブ様・・・・・なぜ攻勢には出ないのでしょうか。力の源となる神殿を破壊するなどすれば、間接的にでも・・・」
闇司祭ヴォーバル「・・・・・平和的に、ですか。・・・・・。」
闇司祭ヴォーバル「・・・いえ、問題ありません。それでは、失礼致します。」
再びため息をつくヴォーバル。
闇司祭ヴォーバル「そのような御意向でしたら、私は従いましょう。・・・・・私は。」
闇司祭ヴォーバル「・・・・・お願いしますよ、メーアさん。その任務、運が良ければ君自身の未来にも繋がるでしょう・・・」
•[19]闇は闇を隠し 10ページ
戦闘前
『光の神殿を破壊してください、神具を使わずに。そうすれば神具を返しましょう。逃げても構いませんが、無駄でしょう・・・・・戦姫は神具を求めるようにできているようですから。』
メーア
水色の髪に朱色の瞳の少女。
とある光の神殿の前に立つメーア。
メーア「・・・あいつの言うとおりのようだ。神具から離れると、こんなにも落ち着かないのか・・・」
メーア「しかし不思議な・・・開放感がある。」
『神殿の力の影響が戦姫を狂わせています。いま君が神具を持てば、恐らく同じようになるでしょう・・・・・この状況を抑えるためには神殿の破壊が最も手っ取り早く犠牲も少ない。』
『しかしながら闇魔術協会はそれを否としています、今後私は動けません。全て破壊しろという訳ではありません、神殿の配置を知る貴方が遂行してください。・・・戦力は・・・・・そうですねぇ・・・・・』
メーア「・・・すまない、付き合わせてしまって。よろしく頼む。」
メーア「・・・・・行こう。」
戦闘後
光の神官「メーア様が・・・・・どうして・・・・・・・・」
メーア「・・・すまない。」
軽く頭を下げ、神殿の奥へと進む。
•[19]闇は闇を隠し 15ページ
戦闘前
とある光の神殿のなか。
メーア
水色の髪に朱色の瞳の少女。
騎士像
馬に乗った勇ましい騎士の石像。
メーアと、その正面に立つ複数の騎士の石像。
騎士像「また貴方か、メーア。どうしたのだ・・・・・」
メーア「・・・誰。」
騎士像「神具も持たずに神殿を訪れるとは・・・・・まずは罰が必要のようだ。」
石像が突然動き出し、襲い掛かってきた!!
メーア「・・・ッ!!」
戦闘後
騎士像「・・・・・罰を拒むか。・・・・・。」
メーア「罰とは何だ一体・・・・・神具が何だというのだ。」
騎士像「・・・堕ちたか、メーアよ。・・・・・良いだろう、奥に来たまえ。」
声が神殿の奥へと導く・・・
•[19]闇は闇を隠し 20ページ
戦闘前
光の神殿の最奥。
メーア
水色の髪に朱色の瞳の少女。
大天使像
白く美しい大天使の像。
天使像
白く美しい天使の像。
最奥に立つ大天使の像。
その周りには小さな天使の像も並んでいる。
メーア「・・・誰もいない。ならば・・・・・」
大天使像「ならば何をするというのだ?メーアよ。」
大天使像が動き出し、天使も周囲を飛び回りはじめる。
メーア「そう簡単にはいかない、か。」
大天使像「以前も闇魔術協会の者と一緒であったな・・・・・唆されたか。」
メーア「貴方はあの時の・・・確か・・・・・代弁者、ウムリス?」
大天使像「戦姫に呼び捨てにされるとはな。神具を持って再訪せよメーア、お前には導きが不足している。」
メーア「導きとは何だっ!?なぜ戦姫は破壊活動をしている!!?貴方が戦姫を導くのならば、この凶行を止めてくれッ!!」
大天使像「・・・・・。・・・態度次第と思っていたが、どうやら手遅れのようだな。」
大天使像「・・・ここで消えよ、メーア。」
大天使像が剣を抜き、襲いかかるッ!!
メーア「・・・・・頼るべきでない相手と分かった。それならば・・・」
メーア「・・・抗うまでだッ!!」
戦闘後
光となって消える天使たち・・・・・
大天使像「やってくれたな・・・・・引き返せぬぞ、咎人。」
天使が消えると、神殿内の光が徐々に失われていく。
月のない夜、闇が全てを包み込む・・・・・
メーア「・・・・・」
メーア「・・・何も、見えていなかったみたいだ。」
像の消えたその場に軽く頭を下げ、神殿を出るメーア。
•[20]ほうき星を追って2 5ページ
戦闘前
暗い森の中。
フォルテ
薄茶色の短髪に黒の瞳。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
ニーニャ
黒い短髪に銅色の瞳。猫の耳を持つ少女。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
桜の髪飾りをつけ、赤い花柄の和服を身につけている。
フォルテ「ハァ・・・ハァ・・・・・」
ニーニャ「もうギブアップにゃ!?まだ魔力は半分以上残ってるはずにゃ!!」
フォルテに魔力の扱いを教えるニーニャ。
その二人を見守る二人。
キュリオ
紫色の瞳、銀髪ポニーテールの男性。
眼鏡をして、Yシャツをだらしなく着ている。
無精髭を触る癖がある。
アルマジロ
薄紅色の小さなアルマジロ。
アルマジロ「・・・クゥゥ・・・・・」
キュリオ「心配か?・・・大丈夫さ、あいつは頑張れる奴だ。」
フォルテ「・・・・・だああぁぁぁッ!!!!」
フォルテが持つ斧が強く青白い光を纏う・・・・・
ニーニャ「おおっ!さすが男の子、やればできるにゃ!!」
フォルテ「・・・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・・」
その場に倒れこむフォルテ。
ニーニャ「フォルテは物に魔力を伝達する能力に長けてるみたいにゃ。しかし魔力をすんなり引き出せるあたり・・・・・さすがは封印の森の住人、ってとこかにゃ?」
フォルテ「僕の森は・・・・・そんなにすごいの・・・??」
ニーニャ「あの魔女を封印できるだけの特異な力を帯びた森、そこで生まれ育った者への影響も大きいにゃ。森の封印を解けるのも森の住人だけ、というのも頷けるにゃ。」
フォルテ「・・・そうなんだ。良かった・・・かも・・・・・」
よろよろと起き上がるフォルテ。
ジャイアントバット「・・・キィィィッ!!!」
上空に突然巨大なこうもりが現れた!
こちらを狙っているようだ。
フォルテ「うわあぁぁッ!!!」
ニーニャ「これはこれは、都合よく練習相手が。・・・フォルテ、実践訓練にゃ!!」
フォルテ「ううぅ・・・・・」
戦闘後
フォルテ「・・・魔力、って・・・・・つか・・・れる・・・・・・・」
再び倒れこむフォルテ。
ニーニャ「よく頑張ったにゃ♪今夜は添い寝でもしてやろうかにゃ?」
キュリオ「いやぁ驚いた、こりゃ今後も頑張ってもらわないとねぇ。」
アルマジロ「キュウゥ!!」
空には変わらず魔女の軌跡を示す星が流れている。
ニーニャ「あの軌跡もいつまで残ってるか分からないにゃ、あとは星を追いながら練習するにゃ。」
•[20]ほうき星を追って2 10ページ
戦闘前
ほうき星を追う一行。
フォルテ
薄茶色の短髪に黒の瞳。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
キュリオ
紫色の瞳、銀髪ポニーテールの男性。
眼鏡をして、Yシャツをだらしなく着ている。
無精髭を触る癖がある。
ニーニャ
黒い短髪に銅色の瞳。猫の耳を持つ少女。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
桜の髪飾りをつけ、赤い花柄の和服を身につけている。
アルマジロ
薄紅色の小さなアルマジロ。
軌跡を追っていくと、怪しげな神殿に辿り着く。
ニーニャ「これは・・・・・闇魔術協会?」
キュリオ「おいおい・・・魔女が協会と絡んでるのか・・・?」
ディック
黒い瞳、短い黒髪の男性。
禍々しい黒い槍を持つ。(意味深ではない)
ディック「女を連れた一行・・・・・このディック、貴様らを見逃しはしないッ!!」
フォルテ「え・・・?」
キュリオ「ちょ、ちょっと待ってくれ。僕らは別に何も・・・・・」
ディック「疑いのある者は全て黙らせるッ!!」
戦闘後
ディック「き、貴様・・・・・らぁァッ!!!」
「おーい、何やってるのかな君は。」
ナーデル
青い瞳、短い金髪の女性。
銀色のレイピアを持つ。
ディック「ナーデル様・・・ッ!!女を連れた怪しい一行が・・・・・」
ナーデル「まったく、君は相手の話も聞けないのかい?ちゃんと聞けば怪しいなんて中途半端な言葉付かないから。君は自分を真面目だと思っているかもしれないけど、それは真面目とは言わないからね?」
ディック「申し訳ありません・・・」
ディックを後ろに除けて、こちらを見る。
ナーデル「いやすまなかった。最近戦姫の動きが酷いものでね、ピリピリしてるんだ。・・・で、何か用?」
キュリオ「あぁ。・・・ここに怪しい魔女は来なかったか?」
ナーデル「怪しい・・・・・まぁいい。魔女っぽい女なら来たよ。『テネブはここにいる?』と聞かれたから『協会員は誰も居場所を知らない』と答えた。残念そうな顔をして去っていったよ。」
ナーデル「まったく、会長の居場所を知って何をしようというのだろうね。・・・それだけかい?」
ニーニャ「助かったにゃ、ありがとにゃ♪」
ナーデル「なによりだ、それじゃ失礼するよ。ほらディック戻るよ、君にはお説教とお仕置きが必要だね。」
ディック「うぅ・・・・・」
神殿内へと戻る二人。
フォルテ「・・・テネブ?」
キュリオ「闇魔術協会のトップだよ。・・・何だか嫌な予感がするな。」
ニーニャ「私達の力なんて微力もいいところ、調べられるところまで調べて危なそうなら力を持つ集団に協力を仰げばいいにゃ。」
フォルテ「今は星狩りのせいで難しそうだけど・・・もう少し状況が分かれば・・・・・」
アルマジロ「・・・クゥゥ!!」
フォルテ「うん、そうだね。サザンカの国にお願いもできるかもしれない。」
一行は夜空を眺め、さらに星を追う・・・・・
•[20]ほうき星を追って2 15ページ
戦闘前
さらにほうき星を追う一行。
フォルテ
薄茶色の短髪に黒の瞳。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
キュリオ
紫色の瞳、銀髪ポニーテールの男性。
眼鏡をして、Yシャツをだらしなく着ている。
無精髭を触る癖がある。
ニーニャ
黒い短髪に銅色の瞳。猫の耳を持つ少女。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
桜の髪飾りをつけ、赤い花柄の和服を身につけている。
アルマジロ
薄紅色の小さなアルマジロ。
軌跡を追っていくと、豪邸に辿り着く。
豪邸からおじいさんが顔を出す。
じい
黒のスーツを身につけた白髪の老紳士。
趣味はウォーキング。
じい「おやおや、坊っちゃまのお友達ですかな?残念ながら今坊っちゃまは長期外出中でして・・・・・」
フォルテ「あ、いや・・・僕は魔女を追っていて・・・・・」
じい「魔女・・・ですか?」
じい「セクシーなお嬢さんでしたら来られましたが。」
ニーニャ「そいつにゃ!!」
じい「あぁッ・・・坊っちゃまの花嫁になっていただくようお願いしておくべきでした!!」
キュリオ「どこに行ったか分かるか?」
じい「えぇとですねぇ・・・ほうきに乗って、確かあちらに向かったかと・・・・・」
じい「それはそうと、そのお嬢さんが去った後にですねぇ。少々困ったことが起こってしまいまして・・・・・」
フォルテ「・・・・・??」
鶏マン
限りなく人に近い鶏。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
鶏マン「コケエェェェェッ!!」
じい「私の愛鳥たちがおかしくなってしまったのです・・・・・どうにか鎮めてくださいませんか・・・?」
戦闘後
じい「ありがとうございます!この御恩はぜひ極上のチキンで・・・!!」
キュリオ「いや・・・こいつらはもう食えんから。低能なのかまだ叫ぶだけだが、そのうち言葉を発し始める・・・大切にしてやってくれ。」
ニーニャ「変わりたて・・・・・ちゃんと魔女に近づけてるにゃっ」
フォルテ「・・・・・。・・・行こうっ!!」
じいに教えてもらった方角へと急ぐ。
•[20]ほうき星を追って2 20ページ
戦闘前
じいに教わった方角はほうき星の軌跡とほぼ一致していた。
フォルテ
薄茶色の短髪に黒の瞳。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
キュリオ
紫色の瞳、銀髪ポニーテールの男性。
眼鏡をして、Yシャツをだらしなく着ている。
無精髭を触る癖がある。
ニーニャ
黒い短髪に銅色の瞳。猫の耳を持つ少女。
右目の下に薄く星の形が浮かんでいる。
桜の髪飾りをつけ、赤い花柄の和服を身につけている。
アルマジロ
薄紅色の小さなアルマジロ。
軌跡を追っていくと、木々に囲まれた花園に辿り着く。
花々に囲まれるように、豪華なベッドが置かれている。
フォルテ「あれは・・・ッ!!」
エルキス
ロングウェーブの金髪に桃色の瞳。
黒いロングドレスのセクシーなお姉さん。
エルキス「・・・もう、折角綺麗な星空に包まれて眠ってたのにぃ。ちょっと大変な魔法使っちゃって疲れてるの、そっとしといてくれない・・・?」
起き上がるエルキス。
フォルテ「みんなを元に戻せッ!!」
エルキス「ん・・・、またそれ?贅沢な坊やねぇ・・・。・・・あら、貴方は私の元下僕かなかなぁ??」
ニーニャ「・・・おかげさま、こんなに可愛くしてくれてありがとにゃ。でも、・・・いい加減飽きたにゃ。」
アルマジロ「クゥゥ・・・ッ!!」
キュリオ「っというわけだ。ひとまず・・・・・大人しく眠ってもらおうか。」
エルキス「困ったちゃんたちねぇ・・・・・それじゃ、お先にお眠りなさい☆」
戦闘後
フォルテ「早く元に戻して!!」
キュリオ「ただ言っても無駄だろう・・・・・とりあえず縛り上げる。魔女エルキスの魔術動作は手の動きだ、それを封じる。」
エルキス「やだ、私そういう趣味ないのよねぇ・・・・・」
キュリオ「こちらも無いからお互い様、一緒に我慢してもらおうか。」
フォルテ「・・・どうするの?」
ニーニャ「ひとまず逃げられない場所に閉じ込めるにゃ!」
キュリオ「逃げられない場所・・・か・・・・・」
キュリオ「あぁ、あそこがいい。既に暴かれた遺跡があるんだが、そこの仕掛けを動かせば密室を作れる。」
捕らえた魔女を連れ、遺跡へと向かう一行。
- 最終更新:2016-09-29 13:02:21